バッチ挿入

バッチ挿入を行うには、 @BatchInsert をDaoのメソッドに注釈します。

@Config(config = AppConfig.class)
public interface EmployeeDao {
    @BatchInsert
    int[] insert(List<Employee> employees);

    @BatchInsert
    BatchResult<ImmutableEmployee> insert(List<ImmutableEmployee> employees);
}

デフォルトでは、INSERT文が自動生成されます。 @BatchInsertsqlFiletrue を設定することで、任意のSQLファイルにマッピングできます。

パラメータの要素のに エンティティクラス が指定されている場合、 挿入の実行前にエンティティリスナーの preInsert メソッドをエンティティごとに呼び出します。 また、挿入の実行後にエンティティリスナーの postInsert メソッドをエンティティごとに呼び出します。

戻り値

パラメータ Iterable のサブタイプの要素がイミュータブルなエンティティクラスの場合、 戻り値はそのエンティティクラスを要素とする org.seasar.doma.BatchResult でなければいけません。

上記の条件を満たさないない場合、戻り値は各更新処理の更新件数を表す int[] でなければいけません。

SQLの自動生成によるバッチ挿入

パラメータの型は エンティティクラス 要素とする java.lang.Iterable のサブタイプでなければいけません。 指定できるパラメータの数は1つです。 引数は null であってはいけません。 戻り値の配列の要素の数はパラメータの Iterable の要素の数と等しくなります。 配列のそれぞれの要素が更新された件数を返します。

識別子

エンティティクラス の識別子に、 @GeneratedValue が注釈されている場合、 識別子が自動的に生成され設定されます。

バージョン番号

エンティティクラス@Version が注釈されたプロパティがある場合、 そのプロパティに明示的に 0 以上の値が設定されていればその値を使用します。 もし設定されていないか、 0 未満の値が設定されていれば 1 を自動で設定します。

挿入対象プロパティ

insertable

エンティティクラス@Column が注釈されたプロパティがある場合、 @BatchInsertinsertable 要素が false のものは挿入対象外です。

exclude

@BatchInsertexclude 要素に指定されたプロパティを挿入対象外とします。 プロパティがこの要素に指定されていれば、 @Columninsertable 要素が true であっても挿入対象外です。

@BatchInsert(exclude = {"name", "salary"})
int[] insert(List<Employee> employees);

include

@BatchInsertinclude 要素に指定されたプロパティのみを挿入対象とします。 @BatchInsertinclude 要素と exclude 要素の両方に同じプロパティが指定された場合、 そのプロパティは挿入対象外になります。 プロパティがこの要素に指定されていても、 @Columninsertable 要素が false であれば挿入対象外です。

@BatchInsert(include = {"name", "salary"})
int[] insert(List<Employee> employees);

SQLファイルによるバッチ挿入

SQLファイルによるバッチ挿入を行うには、 @BatchInsertsqlFile 要素に true を設定し、 メソッドに対応するSQLファイルを用意します。

@BatchInsert(sqlFile = true)
int[] insert(List<Employee> employees);

@BatchInsert(sqlFile = true)
BatchResult<ImmutableEmployee> insert(List<ImmutableEmployee> employees);

パラメータは任意の型を要素とする java.lang.Iterable のサブタイプでなければいけません。 指定できるパラメータの数は1つです。 引数は null であってはいけません。 戻り値の配列の要素の数はパラメータの Iterable の要素の数と等しくなります。 配列のそれぞれの要素が更新された件数を返します。

エンティティクラス にエンティティリスナーが指定されていても、エンティティリスナーのメソッドは呼び出しません。

たとえば、上記のメソッドに対応するSQLは次のように記述します。

insert into employee (id, name, salary, version)
values (/* employees.id */0, /* employees.name */'hoge', /* employees.salary */100, /* employees.version */0)

SQLファイル上では、パラメータの名前は java.lang.Iterable のサブタイプの要素を指します。

SQLファイルによるバッチ挿入では、識別子の自動設定やバージョン番号の自動設定は行われません。 また、 @BatchInsertexclude 要素、 include 要素は参照されません。

一意制約違反

一意制約違反が発生した場合は、SQLファイルの使用の有無に関係なく UniqueConstraintException がスローされます。

クエリタイムアウト

@BatchInsertqueryTimeout 要素にクエリタイムアウトの秒数を指定できます。

@BatchInsert(queryTimeout = 10)
int[] insert(List<Employee> employees);

この指定は、SQLファイルの使用の有無に関係なく適用されます。 queryTimeout 要素に値を指定しない場合、 設定 に指定されたクエリタイムアウトが使用されます。

バッチサイズ

@BatchInsertbatchSize 要素にバッチサイズを指定できます。

@BatchInsert(batchSize = 10)
int[] insert(List<Employee> employees);

この指定は、SQLファイルの使用の有無に関係なく適用されます。 batchSize 要素に値を指定しない場合、 設定 に指定されたバッチサイズが使用されます。

SQL のログ出力形式

@BatchInsertsqlLog 要素に SQL のログ出力形式を指定できます。

@BatchInsert(sqlLog = SqlLogType.RAW)
int insert(Employee employee);

SqlLogType.RAW はバインドパラメータ(?)付きの SQL をログ出力することを表します。